毎年9月の秋分の日には、大池いこいの森第3キャンプ場を会場に、大池まつりが開催されます。
このまつり最大のイベントが 魚のつかみどり!
キャンプ場の一角につかみどり用の池を作ってニジマスなど魚のつかみどりを行うわけなのですが、実はこの企画、ただのお楽しみ企画ではない古~い歴史があるのです。
大池いこいの森は、公園として整備され、キャンプやアウトドアを楽しむことができるスポットですが、そのなかにある大池・小池の水は古く江戸時代から農業用水として利用されてきました。
江戸時代には、秋の稲刈りが終わった頃、池の水を落として泥払いをし、そこに生息している魚を獲り、収入源としていたそうです。さらに明治22年頃からは養鯉事業が始まり、明治24年には大池で鯉揚げが行われました。以降、年中行事として毎年10月17日に鯉揚げが行われていました。
この『鯉揚げ』という行事を再現したのが大池まつりでの「魚のつかみどり」。
広報くびき縮刷版から紐解くと、平成元年の「広報くびき」には、『恒例の大池まつりで鯉揚げが再現された!』とあります。この頃からすでに恒例行事となっていた大池まつり、当初は泥んこの池の中に鯉やニジマスを放していたようで、参加した子ども達は泥だらけになりながら、鯉を追いかけていたようです。(現在のつかみどり用の池はブルーシートで覆ってあるので泥んこにはなりません)
古く江戸時代から行われていた鯉揚げの行事は明治・大正・昭和・平成・令和と時代が変わっても、歴史と伝統を受け継ぐ大切な行事として、その時代に合わせたやり方で形を変えながら、現在も行われているのです。
今年の大池まつりは残念ながら中止となりましたが、これからも続けていってほしい伝統行事です。
せっかくなので、広報くびき縮刷版から「平成元年10月号」の記事を。